人材育成が目指すもの

宮城県と岩手県で展開される東北メディカル・メガバンク事業は、未だ回復に至っていない東日本大震災で傷ついた被災地域における医療支援と次世代個別化医療の実現を目指すことにより東北の復興とゲノムやエピゲノム・コホート先端研究の融合を目指すプロジェクトです。

本機構では、被災地の医療復興と最先端研究に興味を抱く医師に対して、被災地域での地域医療に従事しながら、ゲノムやエピゲノム・コホート研究に参加することで地域医療支援と地域密着型臨床研究を推進し、キャリアアップ(専門医・学位取得など)を目指す制度を導入しているほか、岩手医科大学と連携した大学院の講座を設け、ゲノムコホート研究に関する充実した教育を実施しています。

 

メディカルメガバンクフェロー

岩手沿岸の基幹病院(県立久慈、宮古、釜石、大船渡病院)の何れかに常勤雇用として6か月以上勤務し、その後、基幹病院勤務期間の2倍の期間、岩手医科大学に設置する「いわて東北メディカル・メガバンク機構」内でゲノムやエピゲノムのコホート研究やその関連研究に特命助教待遇で従事することができます。
基幹病院に勤務する期間中は診療に従事する他、必要に応じ、沿岸に設置するメガバンクサテライト業務等にも従事していただきます。

大学院

岩手医科大学と連携し、修士課程・博士課程において下記講座を設けています。

講座名 主な研究内容
ゲノムコホート研究・生体情報解析学 ゲノム情報を活用した次世代型の大規模疫学コホート研究の基礎を学ぶとともに、生体情報、すなわちゲノム、メチローム、トランスクリプトームの解析手法とバイオインフォマティクスの基礎を習得する。
さらにオミックス情報と臨床情報を体系的に統合する手法について学び、多様な生体情報を臨床研究に活かせる人材、また医師主導型臨床研究と基礎研究に貢献できる人材を育成する。
メディカル・ゲノミクス 近年、医学研究においてもゲノム情報やその他のオミックス情報をバイオインフォマティクスの手法を用いて解析し、活用することが必須となった。しかし、ジセダイシークエンサーなどから得られるデータ量は数億行、数TBにおよび、WindowsやMacなどのパーソナルコンピューターで扱える範囲を超えている。そこで、医学研究に大規模データをどのように利活用するのか、実際にゲノム情報を取り扱うことで、バイオインフォマティクスの基礎を習得し、環境要因と遺伝的素因を考慮したゲノムオミックス研究を行う。

 

 

GMRC(ゲノム・メディカル・リサーチ・コーディネーター)

GMRCsugawaraGMRCは遺伝子やゲノム解析研究についての知識を持った専門職であり、ゲノム研究を支援するスタッフです。ゲノム医学研究の成果を上げるには、多くの研究協力者である皆さまの参加が不可欠ですが、GMRCは研究協力者である皆さまと研究者との間の橋渡しの役割を担っています。当機構認定のGMRCは主に医療系資格保有者(保健師、看護師、臨床検査技師など)ですので、メガバンク事業について適切かつ丁寧にご説明するのはもちろんのこと、皆さまの生活に寄り添い、日々の健康づくりのサポートを行うことが可能です。事業について、健康についてなど、ご不明な点はGMRCにお気軽にお尋ねください。

GMRCgroup