FAQ

Q1. コホート研究とは何ですか?
A. 生活習慣(喫煙・飲酒・食生活)や環境、からだの状態(健診の結果、血液や尿の成分など)を長期にわたって調べ、健康や病気の発症との関連を調べる研究のことです。

※コホートとは、古代ローマの兵士集団を意味する言葉で、医学研究では、一定期間にわたってフォローアップ(追跡観察)される研究対象の集団を意味します。

Q2. 地域住民コホート調査をする目的は何ですか?
A. この事業では、東日本大震災後のこころとからだの健康を評価し、震災にともなうストレスと、脳卒中、心・血管疾患などの生活習慣病、がん、精神疾患(うつ病・不安障害・外傷後ストレス障害などの感情障害)、アレルギー疾患の発症との関連を明らかにすることを目指します。

健康調査を行うことで、地域の方々の疾患の早期発見やストレスの検証など、健康チェックや早期受診に役立てるとともに、ご協力いただいた皆さまの健康情報や診療情報、生体試料の解析情報などを利用して、個人に合わせた予防や医療の開発を目的としています。

Q3. なぜ遺伝子の分析は必要なのですか?
A. 脳卒中、心・血管疾患などの生活習慣病、がん、精神疾患、アレルギー疾患などの病気は、その人の生活習慣(生活環境の要因)のみならず、その人が親から受け継いだ体質(遺伝的な要因)との両方の影響によっておこると考えられています。遺伝的な体質(「遺伝子」、広くは「ゲノム」と言います)と生活習慣の関係を調べることで、ひとり一人の体質にあわせた病気の予防法や治療法(これを個別化予防・医療と呼びます)の開発につなげることが期待されているからです。
Q4. この事業に協力すると何がわかりますか?
A. この研究にご協力いただいた場合、通常の健診より詳しい健康に関する検査の結果がわかります。皆さまの健康づくりや生活習慣の工夫、脳卒中、心・血管疾患などの生活習慣病、がん、精神疾患、アレルギー疾患などの病気の予防にお役立ていただくことができます。

また、コホート調査や解析研究が進むと、病気のなりやすさに関係する生活習慣や遺伝子の個人差による体質がわかると思います。現在の医療は病気になってはじめて治療が開始されますが、将来かかりやすい病気を予測したり、個人の体質に合わせて生活習慣を工夫したりすることで病気の予防が可能性となるほか、くすりの副作用などを予測することが期待されます。

Q5. 何の役に立つのですか?
A. 体質(遺伝子)と生活習慣の関係を調べることで、病気のかかりやすさと生活習慣を考えた今後の予防法の開発(個別化予防)や、病気の治療法(個別化医療)に役立つことが考えられています。
Q6. 具体的には何を協力すればいいのですか?
A. 大きく分けて、「健診(健康診断)を受けていただくこと」「発病・死亡・転出の追跡調査」の二つです。

健診では、血液を通常の方法で採血し、尿の一部を提出して頂き、生活習慣や病歴などを調べるための質問票の記入をお願いします。
追跡調査では、医療機関と連携し、病名・医療内容から必要な情報に限定しての調査、転出・死亡の確認をさせていただきます。

*個人情報を適切かつ厳重に保護したうえで、正確な病名・医療内容の確認、健康状態の経過を見るために以下の方法で確認させていただきます。

  • 質問票などによる自己申告
  • 医療機関への確認
  • 診療報酬明細書(レセプト)

* 転出や亡くなられたときは、住民基本台帳や死亡小票で確認を行います。

  • 転出や死亡の確認は、法律に定められた手続きにしたがって、市役所や役場などで住民票または住民基本台帳閲覧によって確認させていただきます。
  • お亡くなりになった場合は、その原因を確認するために、厚生労働省の許可を得て、お住まいの市町村の保健所にて死亡小票(亡くなった方のお名前、日付、理由などがまとめられた公的な書類)を閲覧させていただきます。
Q7. 途中で参加をやめることはできますか?
A. 研究への参加は自由意思ですので途中でやめることもできます。また、やめたからといって不利益になることはありません。取りやめを希望される場合は、当機構コホート分野(019-907-4010)までご連絡ください。
Q8. 検査結果はどのような項目が返却されるのですか?
A. 特定健診の結果のほかに、いつもよりも詳しい血液検査結果、栄養素摂取量の計算結果、胃がんの危険因子(ヘリコバクター・ピロリ)の有無、心臓機能や腎機能の評価、こころの健康度などの項目がみなさまに返却されます。

Q9. 遺伝子の解析結果について知りたいのですが?
A. 遺伝子解析の結果と病気との関連性については、現時点では結果をみても病気にかかる可能性を予測したり、病気であることを正確に示したりすることが難しく、みなさまの健康づくりや治療に直接役立つような情報にはなりにくいことをご承知おきください。遺伝子解析の結果の返却(回付)を希望される場合には、「遺伝情報等回付検討委員会」で審議のうえ、返却(回付)するかどうかの決定を行います。

審議の際には、以下の4つの条件について精査いたします。

  1. その情報が健康状態を評価するための情報として精度と確実性を有していること

  2. その情報が、健康にとって重要な事実を示すものであること

  3. その情報を返却(回付)することで、研究業務の適正な実施に著しい支障をおよぼすおそれがないこと
  4. その情報が生命や健康に重大な影響を与えることが判明した場合には、有効な治療法があること

Q10. 個人情報が漏れることはありませんか?
A. 皆さまからいただいた健康情報や血液・尿などの試料およびそれを分析した検査値・解析結果は、ご本人のものとわからないよう、照合のための番号をつけて匿名化()され、研究者にもどなたの情報を扱っているのかわからないように配慮した形で、厳重に管理されます。研究にあたっては、個人情報が漏れることのないよう、国が定めた基準(「個人情報保護法」や「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」、「疫学研究に関する倫理指針」)にしたがって、現在考えられる最良の方法で、個人情報の保護に努めてまいります。
Q11. 試料(血液、尿)や情報の匿名化とは?
A. 皆さまからいただいた試料(血液、尿)や健康や医療に関する情報に、新しく照合のための番号を代わりにつけてどなたのものかわからないように管理します。健康状態のデータと血液などのデータとの照合は、すべてこの照合番号だけを用いて行いますので、血液を分析する人にもだれのものかがわからないようになっています。試料の分析から得られる遺伝子の情報についても、個人識別が可能にならないよう、厳重な管理とセキュリティ体制の整備を徹底しています。

個人情報を取扱う人は限定したうえで、個人情報保護法をはじめとする法令や国の研究倫理指針など、個人情報に関する十分な教育を施して守秘義務契約を交わします。また、研究に参加していない個人情報管理者が研究者に対して監督を行い、匿名化の対応表を管理します。

Q12. 外部機関とは具体的にどのような機関のことを指すのですか?
A. 他の大学や企業といった医学や薬学などの研究をしている機関を指します。

外部機関や研究者が試料や情報を研究に利用する場合には、その研究計画について岩手医科大学と東北大学が共同で設置する「試料・情報分譲審査委員会」で審査され、貴重な生体試料やデータを利用することがふさわしい適切な研究か、個人情報保護のための体制が整っているかなどを評価します。

Q13. 同意撤回した場合、すでに収集された試料(血液・尿)はどうなりますか?
A. 同意の撤回には3種類あります。

  1. 連絡の禁止
  2. 連絡、追跡調査の禁止
  3. 連絡、追跡、試料や情報の利用の禁止

①または②を希望された場合、すでに収集した試料は継続して使用させていただきます。また、③を希望された場合には、ご提供いただいた試料は速やかに廃棄処理を行い、その後みなさまに文書で報告いたします。

Q14. 匿名化したものを廃棄できるのですか?
A. 必要な場合に個人を識別できるような方法で匿名化しますので、同意撤回された方の試料(血液・尿)の廃棄は可能となっています。しかし、撤回のお申し出を受ける前に既に研究利用の対象となった情報や外部機関に分譲した情報については、廃棄処理を行えないこともあることをご了承いただきますようお願いいたしします。

Q15. 偶発的所見とは?
A. 研究の目的とは別に、偶然見つかった、生命にかかわる重大な情報のことを偶発的所見といいます。この所見があったときには、有効な対処方法があるとき、委員会で審議の上、ご希望があるときにお知らせいたします。

審議の際には、以下の4つの条件について精査いたします。

  1. その情報が健康状態を評価するための情報として精度と確実性を有していること

  2. その情報が、健康にとって重要な事実を示すものであること

  3. その情報を返却(回付)することで、研究業務の適正な実施に著しい支障をおよぼすおそれがないこと

  4. その情報が生命や健康に重大な影響を与えることが判明した場合には、有効な治療法があること

Q16. 利益相反とは?
A. 研究における利益相反とは、研究者が企業などから経済的な利益(研究費、謝金など)を受けることにより、研究の公正さを疑われる状態、もしくは研究結果や公表に影響を及ぼす可能性がある状態のことを言います。

本研究は、公的資金により運営されますが、将来、特定の企業などから資金提供を受ける場合には、利益相反委員会がチェックをするとともに本機構のホームページ上で公開します。