地域住民コホート調査が目指すもの

当機構では、平成25年度から3年にわたり、岩手県の被災地域を中心とした20市町村の皆さまを対象に健康調査(地域住民コホート調査)を実施してまいりました。「コホート」とは、特定のヒトの集団を意味する学術用語であり、調査はその集団(調査参加者の皆さま)の健康状態を長期間にわたって調べ、生活習慣や病気の原因となる危険因子を明らかにするものです。

この調査には、岩手県内で3万人を超える住民の皆さまにご協力いただきました。改めてご協力いただいた皆さま並びに関係諸機関に感謝申し上げます。

今後、調査に参加された皆さまの健康状態を長期間にわたり追跡し、東日本大震災後のこころとからだの健康状態を評価し、震災後の生活に関連する脳卒中、心疾患、がん、ストレスや精神疾患、アレルギー疾患などの病気を発症する原因を明らかにしてまいります。また、その結果をお返しすることで、皆さまや地域の健康づくりに役立てていただけるよう努めてまいります。

さらに、皆様からお預かりした生体試料(血液や尿等)から遺伝的な体質(ゲノム情報)の解析を行い、生活習慣との関連をみることで、生まれ持った遺伝的な体質と生活習慣や生活環境が病気の発症に及ぼす影響を調べ、一人ひとりの体質や生活に合った予防法や治療法(個別化医療・治療)を開発、提供していくことを目指します。

地域にお住いの方々の健康づくりのため、皆様のご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。