「東北メディカル・メガバンク計画」の目的と概要
岩手医科大学は、東北大学と共同で「東北メディカル・メガバンク計画」の実現を目指します。本事業は、復興を目的としたAMED・文部科学省の支援の下、東日本大震災・大津波の被災地の医療機関の復興と医療再生に併せ、被災地を中心とした大規模ゲノムコホート研究(長期にわたる健康調査と生体情報解析)を行うことにより、地域医療の復興に貢献するとともに、創薬研究や個別化医療等の次世代医療体制の構築を目指すことを主な目的としています。
この目的を達成するために、「東北メディカル・メガバンク計画」では、大きく3段階に分けて事業を実施します。
- 医療関係人材を被災地に派遣し、地域医療の復興に貢献するとともに、被災地を中心とした地域住民の皆さんの健康調査を長期にわたって実施し、その結果回付等を通じて健康向上に取り組みます。また、地域医療機関と連携しつつ、健康調査を実施することで、ゲノム情報を含む地域住民コホート研究や三世代コホート研究を進めます。併せて、提供頂いた生体試料と健康調査や診療情報、ゲノム等の生体情報の解析結果を関連させたバイオバンクを構築します。(第1段階)
- わが国で実施されている他のコホート研究事業と連携して住民コホート研究・患者コホート研究を組み合わせた大規模なバイオバンクを完成し、ガバナンスの確保された大規模共同研究へと発展させます。それによりゲノム情報を含めた生体情報や健康情報等の網羅的な基盤情報を創出・共有し、個別化医療・個別化予防等の次世代医療を被災地の住民の皆さまに提供することを目指します。(第2段階)
- 一般住民ゲノムコホート・バイオバンクの構築や成果の利活用について、参加者(データ提供者)を含む地域住民や自治体との信頼関係を維持し、相互の理解を深めていくことを重視し、我が国最大級の一般住民ゲノムコホート・バイオバンクとして維持、充実させるとともに、個別化医療・予防等の次世代医療の実現に資する、我が国の一般住民ゲノムコホート・バイオバンクの中核として機能させることを目指します。(第3段階)